新なカルチャーに飛び込む

秋葉原は、世界最大規模で日本屈指の電気街です。電化製品やIT製品に関する店舗がひしめき合っている街でその歴史は古く、終戦直後より旧日本軍や米軍払い下げの電子部品の闇市*が秋葉原で発生しました。当初は周辺地域にも多く点在していましたが、露店の排除に動いた米軍により行き場を失ったそれらの店舗が入居する商業ビルが秋葉原に建てられるなどして、多くの電気商が秋葉原に集まってくることになりました。そうして秋葉原は「世界有数の電気街」として有名になっていきました。

その後、従来の電気街としての姿から、パソコン関連の専門店やテレビ・パソコンゲームの専門店が多くなっていき秋葉原は「電脳の街」として進化していきます。この進化を契機に徐々に従来の家電量販店は閉店・規模縮小するようなり、その一方でゲームやマンガ、アニメやアイドルに関するショップが集まるポップカルチャーの拠点として発展していきました。現在ではそうしたポップカルチャーの愛好家を示す「オタク」**の聖地となっています。

特に秋葉原は「メイド喫茶」に代表される数々のコンセプト喫茶店の発祥の地として有名です。2001年に世界初のメイド喫茶が秋葉原で誕生して以来、秋葉原およびそれ以外の地域で続々と開店しました。

今回はそんな数々のポップカルチャーがひしめく中で、従来の電気街としての一面をなお残す秋葉原の魅力に迫っていきたいと思います。

*闇市:何らかの物価を統制する体制下で物資が不足した状況における、規制に外れ非合法に設けられた独自の市場経済原理で取引を行う市場。

**オタク:自分にお好きな事柄や興味のある分野に傾倒しすぎる人への呼称、ある物事へ一般人よりはるかに熱中している人・詳しい人のこと。